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SES業界のエンジニア離職率について徹底解説!優良SESの見分け方とは?

2024.12.27

SES業界のエンジニア離職率は高いとしばしば言われます。本記事では、SES業界のエンジニア離職率や定着率について深掘りし、優良SES企業の見分け方や離職率を下げるためのポイントを解説します。

目次

SES業界の離職率とは?

SES業界と他業界の離職率

SES業界の離職率は他の業界に比べて高いというデータがありますが、どの程度の違いがあるのでしょうか。 近年、IT業界全体の離職率は上昇傾向にあり、その中でも特にSES業界は高い水準となっています。厚生労働省の「労働力調査」によると、2022年のIT関連産業の離職率は4.5%と、全産業平均の1.7%を大きく上回っています。一方、SES業界の離職率は、具体的なデータは公表されていませんが、業界関係者によると、IT関連産業全体の離職率をさらに上回るケースも少なくないと言われています。 ただし、SES業界は他業界と比較しても企業規模や事業内容によって離職率が大きく異なり、社内制度や福利厚生が充実していない企業では離職率が高くなる傾向がありますが、人材育成や福利厚生に力を入れている企業では、離職率が低くなる傾向があります。

優良SES企業の離職率との比較

全体の離職率と比較した際に、優良SES企業の離職率がどれほど低いのかを見てみましょう。 例えば、従業員数500人以上の規模のある大手SES企業では、離職率が2~3%程度というケースもあります。これは、IT関連産業全体の離職率と比較しても非常に低い水準です。 優良企業では、人材育成や福利厚生に力を入れているだけでなく、社員のモチベーション向上や働きがいのある環境づくりにも積極的に取り組んでいます。そのため、社員の定着率が高い=離職率が低い傾向にあります。

SESエンジニアの離職率推移と傾向

過去数年の離職率の変動を追い、どのような傾向が見られるかを解説します。 近年、SES業界のエンジニア離職率は上昇傾向にあります。これは、IT業界全体の成長に伴い、人材の需要が高まっていることが一つの要因です。多くの企業が人材獲得にしのぎを削る中で、待遇や福利厚生が向上し、転職しやすい環境が整っているため、転職者が増えていると考えられます。 また、近年では、働き方改革やリモートワークの普及など、労働環境の変化も影響していると考えられます。従来の労働環境に不満を持つ人が増え、より働きやすい環境を求めて転職するケースが増加しています。 一方で、優良企業では、人材育成や福利厚生の充実に力を入れているため、離職率は安定している傾向にあります。これらの企業では、社員の定着率を高めるための取り組みを継続的に行っているため、離職率が低い水準を維持しています。

 

なぜSESエンジニアの離職率は高いのか?

収入の上がりにくさ

SES業界では、長期的に収入が上がりにくいとされていることが離職率が高くなる一つの要因です。 SESエンジニアは、客先常駐で働くことが多いため、評価基準や給与体系が不明瞭となってしまうケースが少なくありません。顧客企業によっては、SESエンジニアに対して、自社の社員よりも低い給与を支払うという場合もあります。 また、SESエンジニアは、プロジェクトごとに異なる顧客企業で働くため、スキルアップやキャリアアップの機会が限られてしまう可能性もあります。そのため、継続的に収入を上げ、キャリアアップを目指したいと考えているエンジニアにとっては、SES業界で働き続けるメリット以上にデメリットを大きく感じてしまうかもしれません。

環境の頻繁な変化

SESエンジニアはプロジェクトごとに異なる現場で働くことが多く、環境適応にストレスを感じることがあります。 プロジェクトの規模や内容、顧客企業の文化など、働く環境はプロジェクトごとに大きく異なります。そのため、SESエンジニアは、頻繁に新しい環境に適応する必要があり、ストレスを感じることがあります。 また、プロジェクトの終了に伴い、新しいプロジェクトへ異動になることも少なくありません。新しいプロジェクトでは、新しいチームメンバーや顧客企業との関係構築など、新たな課題に直面することがあります。このような環境の変化にうまく適応できないエンジニアは、ストレスを抱えてしまい離職に繋がってしまう可能性があります。

帰属意識の欠如

客先常駐が多いため、自社に対する帰属意識が芽生えにくいという問題があります。 SESエンジニアは、顧客企業のオフィスで働くことが多いため、自社のオフィスや社員と接する機会が限られます。そのため、自社に対する帰属意識が薄れてしまい、会社への愛着を感じにくいという問題があります。 また、顧客企業の社員との関係性の中で、自社の社員との関係性が希薄になるケースもあります。このような状況では、会社への忠誠心や帰属意識が低くなり、転職を考える人の増える可能性が高まります。

 

優良SES企業の特徴

教育・学習制度が充実している

優良とされるSES企業では、スキルアップを支援する教育ツールや自己研鑽を促す環境の整備に力を入れています。 資格取得における費用負担や社内での勉強会の開催、学習用教材の手配などが代表的です。また、経験豊富な社員による指導やメンタリング制度など、スキルアップに集中できる環境が用意されています。 このような制度やツールの活用を通じて、エンジニアはスキルアップとキャリアアップを目指せるため、定着率が高くなる傾向にあります。

競争力のある給与体系

競合他社に負けない給与体系を整えている企業の特徴を見てみましょう。 優良企業では、社員のモチベーションを維持するため、競合他社と比較しても魅力的に写る給与体系を導入しています。基本給や賞与だけでなく、残業代や休日出勤手当などの各種手当を充実させることで、社員の経済的な安定を図ることができます。 また、スキルや経験に応じて給与がアップする制度を導入している企業も増えています。このような制度によって、社員はスキルアップやキャリアアップへのモチベーションを高めることができます。

 

SES企業での社員定着率を上げる方法

待遇改善

SESエンジニアの社員定着率を上げるためには、給与や福利厚生などの待遇改善が重要です。 SESエンジニアの離職率が高い要因の一つに、給与や福利厚生への満足度が低いことが挙げられます。そのため、定着率を上げるためには、給与や福利厚生を改善し、社員の経済的・精神的な安定を図ることが重要です。 具体的には、基本給や賞与のアップ、残業代や休日出勤手当の充実、住宅手当や家族手当などの各種手当の導入などが考えられます。また、従業員割引や保養施設の利用補助など、福利厚生を充実させることも効果的です。

透明な評価制度

公正かつ透明な評価制度を導入することで、社員のモチベーションを維持することができます。 SESエンジニアは、客先常駐で働くことが多いため、自社の評価制度が分かりにくいというケースは少なくありません。そのため、公正かつ透明な評価制度を導入し、社員に分かりやすく説明することが重要です。 評価基準を明確化し、評価プロセスを公開することで、社員は自分の評価がどのように決まるのか納得感を高めることができます。また、定期的な面談やフィードバックを通じて、社員の成長を支援することも重要です。

スキルアップの機会

エンジニアとしての成長をサポートしていくために継続的にスキルアップを支援していくことも重要です。 SESエンジニアは、常に新しい技術や知識を学び続ける必要があります。そのため、社員がスキルアップできるような環境を提供し続けることが企業には求められます。 具体的には、外部研修の費用負担、資格取得支援、社内勉強会や技術交流会の開催などが挙げられます。また、キャリアパスを明確化し、社員が将来のキャリアプランを描けるようにサポートすることも重要です。

将来のキャリアプランの実現に向けた支援

エンジニアの長期的なキャリアプランの実現に向けて支援していくことも、社員満足度を高めるポイントです。 SES業界では、顧客企業の都合でプロジェクトが変わる場合が少なくありません。そのため、将来のキャリアプランを明確化し、そのプランを実現できる企業であれば自然と社員定着率も高まるでしょう。代表的な制度として案件選択制を導入している企業であれば、専門性の高いスキルを身に着ける・マネジメント業務へ挑戦できるなど、様々なキャリアプランを実現できる可能性が高まるでしょう。

 

まとめ

SESエンジニアの1社への在籍年数は平均3年ほどと言われています。また、エンジニアだけでなくバックオフィスの離職率も他業界と比較すると高い傾向にあります。IT需要が高まり経験やスキルをもった人材の採用活動を様々な企業が積極的に行っているからこそ、長期的な視野でもって求職者へアピールできる社内制度や福利厚生を充実させていくことがSES企業においては特に求められています。在籍するエンジニアにとって、その会社で働き続けることのメリットを継続的に大きくすることができれば、必然的に離職率が低下し、企業の成長にも繋がっていくでしょう。

 

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執筆者 株式会社M&A共創パートナーズ SESコンサルタント 松下 京平 

当時IT業界は未経験だったものの、約2ヶ月で400社を超える企業との提携関係の構築に加え、50名以上の自社エンジニア全員の営業を担当。2023年に人事担当へ転向後、主にエンジニア採用業務へ従事し、年間で約100名の経験者エンジニアの採用を実現。
SES企業の成長に関わる広範な業務を、一貫して現場主義で対応し、早期の黒字化を実現。


 

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