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VCとは?ベンチャーキャピタルの基本・仕組み・メリット・デメリットについて解説!

2024.08.22

VC (ベンチャーキャピタル)とは何か、VC (ベンチャーキャピタル)の基本から、資金調達のメカニズム、メリット・デメリット、、VC (ベンチャーキャピタル)の様々なタイプについて詳しく解説いたします。これからVCからの資金調達を考えている企業様は、是非参考にしてみてください。

目次

ベンチャーキャピタル(VC)の基本

VCの定義

ベンチャーキャピタル(VC)とは、革新的なアイデアを持つスタートアップ企業に投資を行う機関投資家のことです。彼らは、初期段階で成長可能性の高い企業を見抜き、資金を提供することで、その企業の成功を支援します。

VCの歴史

VCの起源は、1950年代のアメリカに遡ります。当時のアメリカでは、コンピュータや半導体といった新技術が台頭し、それらを活用したビジネスチャンスが生まれていました。しかし、銀行などの伝統的な金融機関は、リスクの高いスタートアップ企業への融資を敬遠していました。その状況下で、リスクを取り、新興企業を支援する新しい資金供給の仕組みとしてVCが誕生しました。

1970年代以降、VCは情報技術分野だけでなく、バイオテクノロジーや医療、エネルギーなど、様々な分野へと投資対象を拡大していきました。そして、インターネットの台頭やモバイル端末の普及など、テクノロジーの進歩に伴い、VCはますます重要な役割を果たすようになりました。

VCがスタートアップに重要な理由

スタートアップ企業は、初期段階において資金調達が非常に困難です。銀行からの融資は、事業実績や担保などが求められるため、なかなか受けられません。また、一般の投資家から資金を集めるには、株式市場への上場など、高いハードルがあります。VCは、このような状況下で、スタートアップ企業に資金を提供し、その成長を支援する重要な役割を担っています。

VCは、スタートアップ企業に資金を提供するだけでなく、経営ノウハウやネットワークなどのサポートも提供します。VCは、多くのスタートアップ企業への投資経験があり、事業の成功に必要な知識や経験を豊富に持っています。また、VCは、業界のトップ企業や投資家との広範なネットワークを持っています。VCを通じて、これらのネットワークにアクセスできるため、スタートアップ企業は新たなビジネスチャンスや提携先を見つけることができます。

 

VCの資金調達メカニズム

ファンド組成の仕組み

VCは、複数の投資家から資金を集めてファンドを組成します。ファンドとは、特定の目的のために集められた資金のことで、VCの場合、スタートアップ企業への投資のために設立されます。ファンドの期間は通常、5年から10年で、その間に投資を行い、その後は投資した企業の株式を売却することで利益を得ます。

ファンドの組成には、まず、VCが投資戦略を策定する必要があります。投資戦略には、投資対象となる分野、投資規模、投資期間などが盛り込まれます。投資戦略を策定した後、VCは投資家から資金を集めます。投資家は、ファンドの投資戦略に共感し、VCの過去の投資実績や経験などを評価して、ファンドに出資します。

投資プロセスの詳細

VCは、投資対象となるスタートアップ企業を厳しく審査します。審査では、企業のビジネスモデル、経営陣の能力、市場の成長性などが評価されます。ビジネスモデルは、企業がどのように収益を上げていくのか、その仕組みが明確で実現可能かどうかが重要です。経営陣の能力は、創業者のビジョン、リーダーシップ、実行力などが評価されます。市場の成長性は、企業が属する市場の規模や成長速度などが評価されます。

VCは、投資対象となるスタートアップ企業を厳選するために、様々な方法を用います。例えば、スタートアップ企業のピッチイベントに参加したり、スタートアップ企業のデータベースを調査したりします。ピッチイベントとは、スタートアップ企業が投資家に対して、自社の事業計画やビジョンを発表するイベントです。VCは、ピッチイベントで多くのスタートアップ企業と出会うことができます。スタートアップ企業のデータベースは、スタートアップ企業に関する情報をまとめたデータベースです。VCは、データベースを調査することで、投資対象となるスタートアップ企業を探すことができます。

VCからの資金提供後の管理

VCは、資金提供後もスタートアップ企業の経営をサポートします。例えば、経営戦略の策定、人材採用、事業提携などの面で助言を行います。VCは、多くのスタートアップ企業への投資経験があり、経営に関する深い知識や経験を豊富に持っています。
VCは、その経験を活かして、スタートアップ企業の経営戦略の策定や人材採用を支援します。また、VCは、業界のトップ企業や投資家との広範なネットワークを持っています。VCは、そのネットワークを活用して、スタートアップ企業に新たなビジネスチャンスや提携先を紹介することができます。

 

VCのメリット

資金調達力

VCから資金調達できれば、銀行からの融資や株式市場への上場と比べて、比較的容易に資金を調達することができます。また、VCは資金提供だけでなく、経営ノウハウやネットワークなどのサポートも提供するため、スタートアップ企業にとって非常に強力な味方となります

経営サポート

VCは、スタートアップ企業の経営に精通した専門家であるため、経営に関する様々なアドバイスを提供することができます。例えば、事業計画の策定、マーケティング戦略の立案、資金管理など、スタートアップ企業が抱える様々な課題に対して、専門的なアドバイスを提供することができます。また、VCのネットワークを通じて、優秀な人材を紹介してもらうことも可能です。

ネットワーキング

VCは、業界のトップ企業や投資家とのネットワークを持っています。VCを通じて、これらのネットワークにアクセスできるため、スタートアップ企業は新たなビジネスチャンスや提携先を見つけることができます。例えば、VCは、自社のポートフォリオ企業同士を繋ぎ、事業提携を促進したり、自社のネットワークを活用して、スタートアップ企業に新たな顧客を紹介したりすることができます。

VCのデメリット

持株比率の低下

VCからの資金調達には、自社の株式を一定の割合でVCに譲渡する必要があります。そのため、創業者は自社の持株比率が低下し、経営への影響力が弱まる可能性があります。特に、VCが複数社から資金調達を行う場合、持株比率は大幅に低下する可能性があります。

経営方針への干渉

VCは、投資したスタートアップ企業の経営に積極的に関与します。そのため、創業者はVCからの経営方針への干渉を受ける可能性があります。VCは、投資した資金の回収を目的とするため、企業の収益性や成長性を重視し、経営方針に影響を与えることがあります。

利益の圧力

VCは、投資したスタートアップ企業に対して、高い収益性を求めます。そのため、創業者は利益を追求するために、短期的視点での経営を行う必要があり、長期的なビジョン実現を阻害する可能性があります。VCは、投資した資金をできるだけ早く回収したいと考えているため、スタートアップ企業に対して、早期の収益化を要求することがあります。

 

VCのタイプ

金融機関系

金融機関系VCは、銀行や証券会社などの金融機関が設立したVCです。金融機関の資金力やネットワークを活用して、スタートアップ企業への投資を行っています。金融機関系VCは、一般的に、他のタイプのVCに比べて、より大規模な投資を行う傾向があります。

独立系

独立系VCは、金融機関や企業とは独立して設立されたVCです。特定の業界や分野に特化して投資を行うケースが多いです。例えば、バイオテクノロジー分野に特化したVC、AI分野に特化したVCなどがあります。独立系VCは、金融機関系VCに比べて、より柔軟な投資判断を行う傾向があります。

大学系

大学系VCは、大学が設立したVCです。大学が持つ技術や研究成果を基にしたスタートアップ企業への投資を行っています。大学系VCは、大学と連携することで、最先端の技術や研究成果を活用したスタートアップ企業への投資を行うことができます。

政府系

政府系VCは、政府が設立したVCです。国の政策目標を達成するために、特定の分野のスタートアップ企業への投資を行っています。例えば、再生可能エネルギー分野や医療分野など、政府が重点的に育成したい分野のスタートアップ企業への投資を行うことがあります。

事業会社系

事業会社系VCは、企業が設立したVCです。自社の事業に関連する分野のスタートアップ企業への投資を行っています。例えば、自動車メーカーが設立したVCは、自動運転技術や電動化技術などの分野のスタートアップ企業に投資を行うことがあります。事業会社系VCは、自社の事業に関連する分野のスタートアップ企業との連携を強化することで、自社の事業を成長させることを目的としています。

まとめ

VCは、スタートアップ企業にとって重要な資金調達手段の一つです。VCから資金調達できれば、資金面だけでなく、経営サポートやネットワーク面でも大きなメリットがあります。しかし、VCからの資金調達には、持株比率の低下や経営方針への干渉などのデメリットも伴います。そのため、VCからの資金調達を行う際は、メリットとデメリットを比較検討し、慎重に判断する必要があります。


執筆者 株式会社M&A共創パートナーズ M&Aアドバイザー 篠浦 隆宏 

株式会社みずほ銀行に入行し、富裕層向けの資産運用の提案に従事。株式会社日本M&Aセンターへ転職後、M&Aコンサルタントとして幅広い業種のM&Aをサポート。前職は、新興のM&Aブティックにて主にIT企業のM&A案件を担当し、数多くの譲渡企業の支援に従事。


 

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