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I-n e社がトゥヴェール社・東亜産業子会社を買収!本M&Aについて解説!

2024.10.24

2024年10月23日に、ヘアケア製品の「BOTANIST」、美容架電「SALONIA」でお馴染みの株式会社I-n eが、スキンケア商品を企画・販売する株式会社トゥヴェールの100%株式の取得、「SALONIA」の製造・供給委託先である東亜産業の子会社(株式会社TTrading)の一部株式の取得を発表しました。

本M&Aは、I-n e社の今後の注力領域である美容家電事業とスキンケア事業の強化を目的としたものとなります。各社の詳細及び本M&Aに関する背景について詳しく解説いたします。

 

目次

I-n eの概要

I-n eの沿革

2007年3年、美容関連商品の企画、企画販売を目的として、兵庫県宝塚市に設立。

2012年にヘアアイロン「SALONIA」、2015年にボタニカルシャンプー・トリートメントの「BOTANIST」を発売し、人気商品となり、マーケットシェアを獲得しました。その後も新商品を積極的に市場に投入し、次世代飲料リラクゼーションドリンクの「CHILLOUT」やナイトケアビューティブランド「YOLU」を人気ブランドに育て上げました。

業績面では、2020年には東証マザーズ市場へ上場を果たし、2023年に東証プライム市場へ市場区分変更を達成。

2023年12月期の売上高416億円(昨年対比+18.1%)、営業利益43.7%(昨年対比+35.3%)と増収増益、上場来4期連続で過去最高営業利益を更新しています。

I-n eの特徴

生産機能を外部企業に委託するファブレスのメーカーとして、国内外にオンライン・オフラインの販売チャネルを構築しています。

現在、「BOTANIST」「YOLU」のブランドを展開するヘアケア系、ヘアアイロンの「SALONIA」を展開する美容家電、スキンケアの大きく3つの事業を運営しています。

同社の強みは、以下の3つがあり、これらをもとに事業を成長させています。

①ブランド創出力

・「美容開拓層」、「美容マス層」双方に受け入れられるコンセプト設計

・インハウスクリエイターが約70名(2022年12月時点)所属することによりスピーディーかつ高品質なクリエイティブ力

・全国200社以上のOEMネットワークによる商品開発力

②OMO

創業来からの強みであるデジタルマーケティング力による「美容開拓層」、「美容マス層」へのアプローチ

約65,000店舗の配荷網によ、、、店頭での認知。

③IPTOS

Idea(アイデア)→Plan(企画)→Test(検証・需要予測)→OnlineOnline(テスト販売)→Scale(ECスケール、小売り拡大)の略称です。

同社独自のノウハウを蓄積していくことで、ヒット商品の成功確率を高めています。

I-n eの中期経営計画

2023年2月に、2023年12月期~2025年12月期の中期経営計画を発表。

注力領域であるヘアケア系、美容家電の継続成長を基盤に、スキンケア他の拡大とグローバル展開を目指しています。

2025年12月期は売上550億円、営業利益率13%、2028年12月~2030年12月期1000億円、営業利益率15%を目標としています。

 

株式会社トゥヴェールの概要

2002年に、化粧品の企画、販売を事業内容として創業。

創業来、高品質な化粧品を開発・提供し、2024年6月期は売上高41億円、営業利益13.5億円と高い収益力を維持しています。

 

株式会社東亜産業の子会社の概要

株式会社東亜産業は1996年設立の生活雑貨・食品・家電の卸・小売・ODM販売を運営しております。子会社である株式会社TTradingは、美容家電等の企画開発、運営、製造及び販売インターネット等を利用した通信販売、卸売及び小売を事業としております。

 

トゥヴェール・TTrading買収の背景

トゥヴェール買収の背景

I-n e社は、上述の通り中期経営計画にてスキンケア等カテゴリの拡大を目指しております。トゥヴェール社を買収することで、同社のノウハウを活用することが出来、スキンケア等のブランドヒット率の向上につなげることが出来ます。

また、トゥヴェール社にとっては、I-n e社の持つブランディング力やサプライチェーン最適化による収益力向上。オンラインチャネル販売強化、SNS等の活用した認知拡大、オフラインチャネルの開拓等により、さらなる売上高・営業利益の更なる成長が期待できます。

TTrading買収の目的

TTrading社の保有する「SALONIA」の商品企画・生産管理・品質管理機能を取り込むことでOEM先との直接取引を可能にし、約8億円ほどのEBITDAの改善効果が見込まれます。これに加え、開発スピードや品質・コスト・生産管理の向上も期待できます。いわゆる水平型のM&Aと言えるでしょう。

 

まとめ

I-n e社は、自社の強みを活かし、シナジーの見込まれる企業とのM&Aを活用して、更なるブランド価値の最大化に取り組む方針です。

これらの取り組みにより、売上高1,000億円の早期達成のための非連続成長を目指します。

 


執筆者 株式会社M&A共創パートナーズ M&Aアドバイザー 篠浦 隆宏 

株式会社みずほ銀行に入行し、富裕層向けの資産運用の提案に従事。株式会社日本M&Aセンターへ転職後、M&Aコンサルタントとして幅広い業種のM&Aをサポート。前職は、新興のM&Aブティックにて主にIT企業のM&A案件を担当し、数多くの譲渡企業の支援に従事。


 

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