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インフォメーションメモランダムとは?作成方法とポイントを解説!

2024.08.23

インフォメーションメモランダム(IM)は、企業のM&Aや資金調達の際に重要な役割を果たす資料です。

本記事では、IMの基本的な概要と作成方法について詳しく説明します。また、IMを効果的に作成するためのポイントについても紹介します。

目次

インフォメーションメモランダムとは?

IMとは何か

インフォメーションメモランダム(IM)は、企業の詳細情報をまとめた資料です。M&Aや資金調達時に潜在的な買い手や投資家に提供される重要な資料です。IMは、企業の財務状況、事業内容、市場分析、経営戦略など、投資判断に必要な情報を網羅的に示すことで、買い手や投資家に対して企業の魅力をアピールし、投資意欲を高める役割を果たします。

IMの役割

IMは、企業の強みや将来の見通しを明確に伝えることで、買い手企業や投資家の意思決定をサポートするもので、具体的には以下の役割があります。

・企業の価値を正確に評価するための根拠を提供する

・投資家や買い手に対して、企業の事業内容や将来性に対する理解を深める

・投資家や買い手との間のコミュニケーションを円滑に進める

・M&Aや資金調達における交渉を有利に進める

IMは、企業の価値を最適な水準に引き出し、投資家や買い手との信頼関係を構築するために不可欠な資料となります。

IMの重要性

適切に作成されたIMは、企業評価に大きな影響を与えるため、その作成には細心の注意が必要です。

IMの内容が不正確であったり、重要な情報が欠落していたりすると、投資家や買い手の信頼を失い、取引が成立しない可能性もあります。

逆に、正確で魅力的なIMを作成することで、企業価値を高め、よりり最適な条件で取引を進めることができます。

 

インフォメーションメモランダムの主要な構成要素

エグゼクティブサマリー

この章では、IMの要約として、企業の概要や事業内容、将来の計画などを簡潔にまとめます。

エグゼクティブサマリーは、IM全体を理解するための入り口となるため、簡潔で分かりやすい文章で記述することが重要です。投資家や買い手は、まずエグゼクティブサマリーを読んで、企業の概要を把握し、詳細な情報を読むかどうかを判断します。そのため、エグゼクティブサマリーは、IM全体の魅力を凝縮した内容にする必要があります。

会社情報と歴史

企業の設立から現在に至るまでの歴史や組織構成、主要な出来事について記載します。

会社情報と歴史は、企業のバックグラウンドや成長過程を理解するために重要な情報です。設立の経緯、経営理念、主要な事業展開、過去の業績などを具体的に記述することで、企業の安定性や成長性を示すことができます。また、過去の成功事例や克服してきた課題などを紹介することで、企業の強みや潜在能力をアピールすることができます。

市場分析

市場規模や競合分析、市場のトレンドについて詳細に記載します。

市場分析は、企業が属する市場の現状や将来の見通しを把握するために不可欠です。市場規模、成長率、競合状況、顧客層、市場のトレンドなどを分析することで、企業の事業機会やリスクを評価することができます。また、競合他社の分析を通じて、自社の強みと弱みを明確化します。

商品・サービスの概要

企業が提供する商品やサービスの特徴や強みについて説明します。

商品・サービスの概要は、企業の収益源となる重要な要素です。商品やサービスの機能、品質、価格、販売チャネル、顧客への価値などを具体的に説明することで、投資家や買い手に企業の事業内容を理解してもらうことができます。また、競合他社との差別化ポイントを明確に示すことで、企業の競争優位性をアピールすることができます。

財務情報

過去の財務データや将来の予測について記載します。

財務情報は、企業の財務状況を評価するために最も重要な情報です。売上高、利益、資産、負債、キャッシュフローなどの財務データを過去数年分示すことで、企業の収益性、安定性、成長性を評価することができます。また、将来の売上予測や利益予測などを示すことで、企業の将来的な成長可能性をアピールすることができます。

インフォメーションメモランダムの作成方法

情報収集

まず、企業に関する全ての必要な情報を収集します。

これには財務データ、事業計画、市場調査などが含まれます。情報収集は、IM作成の基礎となる重要な作業です。正確で最新の情報収集を徹底することで、信頼性の高いIMを作成することができます。情報収集には、以下の方法が考えられます。

・社内資料の確認

・関係部署へのヒアリング

・市場調査の実施

・専門家へのコンサルティング

情報収集の際には、必要な情報を漏れなく収集し、データの正確性を確認することが重要です。

情報の整理と構築

収集した情報を整理し、各項目ごとに構築します。

その際、読み手が理解しやすいように章立てやセクションを工夫します。情報の整理と構築は、IMの内容を分かりやすく伝えるために不可欠です。情報を体系的に整理することで、読み手が目的の情報にスムーズにアクセスすることができます。また、章立てやセクションを適切に設定することで、IM全体の構成を明確にし、読み手の理解を深めることができます。

デザインとレイアウト

IMは読みやすさも重要です。

ビジュアル要素を取り入れて、見やすいレイアウトを心がけます。デザインとレイアウトは、IMの視覚的な印象を左右する重要な要素です。見やすく、読みやすいレイアウトにすることで、投資家や買い手の関心を引き付け、IMの内容を理解してもらうことができます。フォント、色使い、図表などを効果的に活用することで、IMをより魅力的にすることができます。

 

インフォメーションメモランダムの注意点

情報の正確性

IMに記載する情報は全て正確で検証可能でなければなりません。

誤った情報は信頼を損ねる原因となります。情報の正確性は、IMの信頼性を左右する最も重要な要素です。誤った情報や根拠のない情報は、投資家や買い手の不信感を招き、取引が成立しない可能性もあります。そのため、IMに記載する情報は、全て正確なデータに基づいて、客観的な根拠を示す必要があります。

適時更新

IMの内容は常に最新である必要があります。

時間経過による情報の更新を怠らないことが重要です。企業を取り巻く環境は常に変化しています。市場の動向、競合状況、経営戦略などが変化すれば、IMの内容もそれに合わせて更新する必要があります。最新の情報に基づいてIMを更新することで、投資家や買い手に最新の情報を提供し、信頼関係を維持することができます。

機密情報の取扱い

IMには機密情報が含まれるため、その取扱いには十分な注意が必要です。

機密情報は、企業の競争優位性を維持するために重要な情報です。IMを作成する際には、機密情報の漏洩を防ぐための適切な対策を講じる必要があります。

機密情報を含む場合は、その旨を明記し、必要なセキュリティ対策を施す必要があります。また、IMの閲覧者を限定したり、機密情報に関する誓約書を提出させたりするなどの対策も有効です。

 

まとめ

インフォメーションメモランダムは、企業の売却や資金調達において非常に重要なドキュメントです。

正確で明確な情報を提供することで、買い手や投資家の信頼を得ることができます。一方、IMの作成にあたっては、情報の正確性や最新性、機密情報の取扱いに注意することが肝要です。

IMの作成は、作成のプロであるM&A仲介会社や取引金融機関、FA(ファイナンシャルアドバイザリー)にお願いすることをお勧めします。

 


執筆者 株式会社M&A共創パートナーズ M&Aアドバイザー 篠浦 隆宏 

株式会社みずほ銀行に入行し、富裕層向けの資産運用の提案に従事。株式会社日本M&Aセンターへ転職後、M&Aコンサルタントとして幅広い業種のM&Aをサポート。前職は、新興のM&Aブティックにて主にIT企業のM&A案件を担当し、数多くの譲渡企業の支援に従事。


 

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