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「こじはるがM&A!」小嶋陽菜さんがプロデュースするライフスタイルブランドがM&A!概要と背景について解説!
2024.08.23
元AKB48の小嶋陽菜さんが中心となって設立した株式会社heart relationが、株式譲渡によるM&Aに成功したことで注目を集めました。本記事では、株式会社heart relationの沿革と本件M&Aに関する概要と、売却にいたった背景と目的について解説します。
目次
こじはるプロデュースの企業「株式会社heart relation」の沿革
株式会社heart relationは、元AKB48メンバーの小嶋陽菜さんが中心となって設立された企業で、沿革は以下の通りです。
2018年6月: 小嶋陽菜さんがライフスタイルブランド「Her lip to(ハーリップトゥ)」をスタート
2020年1月: 株式会社heart relationとして正式に設立
2020年: コロナ禍の真っ只中にもかかわらず、ECサイトとポップアップ販売のみで急成長を遂げる。
2022年2月22日: 新経営体制を発表。
– 小嶋陽菜さんが代表取締役CCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)に就任
– 安倉知弘氏が代表取締役CEOに就任
その後も継続的に成長を続け、アパレルからビューティーまで幅広い商品を展開し、主なターゲットを20代から30代前半の女性として、ワンピースが特に人気で、華やかな雰囲気と生地・ディテールへのこだわりが特徴のアパレルブランドを確立しました。
さらには、 “Her life is her art.”をコンセプトに、小嶋陽菜さんの世界観を表現したアイスクリーム店やカフェ、コラボアフタヌーンティーなどを展開し、人気を博しました。
2024年に開催した新宿ルミネ2での「Her lip to」ポップアップイベントでは、1週間で1億円の売り上げを達成、コスメラインである「Her lip to Beauty」ではイセタンミラー、@cosume、LOFTなどでの取り扱いが急拡大し、24年売り上げはブランド全体で前年比126.8%も上昇しました。
売上上昇の肝は、InstagramライブやYouTubeなど、SNSをフル活用した事業戦力にあるといわれています。
このように昨今、株式会社heart relationは、小嶋陽菜さんのクリエイティブな視点と経営陣の戦略的アプローチにより、短期間で急成長を遂げたブランドとして注目を集めています。
こじはるさんのM&Aに関する解説
① 売却の概要
買収企業: 株式会社yutori(アパレルブランド「ナインティナインティ(9090)」などを展開)
売却株式: heart relationの株式51%
取得価額: 16億8300万円
株式譲渡予定日: 2024年8月16日(予定)
②売却の背景と目的
株式会社yutori の会社概要
株式会社yutoriは、株式会社 heart relationと同年の、2018年に片石貴展氏によって設立された、若者向けのアパレルブランドを中心に展開する企業グループです。現在では、30以上のブランドを運営しており、主要ブランドには「9090」「centimeter」「My Sugar Babe」「PAMM」などがあります。
また、 SNSマーケティングを得意としており、SNS合計フォロワー数は260万人を超えています。(2024年4月末時点)。
実際に、初年度売上1000万円から、6年で約43億円まで成長し、注目を集めています。
「TURN STRANGER TO STRONGER.」をモットーに、自己肯定感を高める取り組みを重視しており、平均年齢24歳という従業員の若さも特徴、2020年7月には、ZOZOグループ入りを発表し、2023年12月27日には 東京証券取引所グロース市場に新規上場を果たしました。
参照 2024年8月5日 株式会社yutori 適時開示「 株式会社heart relationの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ 」
株式会社yutoriへの売却の目的
yutoriの成長戦略である「ターゲット層の拡大」と「アパレル以外の商材の取扱い」を目的としており、 両社のブランド運営、商品企画、マーケティングなどのノウハウを共有し、さらなる成長・発展を目指しています。
また、生産・物流管理業務やバックオフィス業務の連携により、効率的なグループ運営を目指しています。
また、この売却により、heart relationはyutoriグループの子会社となりますが、小嶋陽菜氏は引き続きブランドに関わっていく意向を示しています。
ジャンルは異なるが同じ時期に設立し、SNS運用を強みとしてコロナ渦をともに乗り切り成長してきたアパレルブランドの統合によるさらなる成長に注目は集まっています。
執筆者 株式会社M&A共創パートナーズ M&Aアドバイザー 篠浦 隆宏
株式会社みずほ銀行に入行し、富裕層向けの資産運用の提案に従事。株式会社日本M&Aセンターへ転職後、M&Aコンサルタントとして幅広い業種のM&Aをサポート。前職は、新興のM&Aブティックにて主にIT企業のM&A案件を担当し、数多くの譲渡企業の支援に従事。
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