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サンマルクによる牛カツ定食業態「牛かつもと村」運営企業の買収を解説!
2024.11.21
2024年11月19日、株式会社サンマルクホールディングスは、牛カツ定食業態の「牛かつもと村」を運営する株式会社牛かつもと村の買収を発表しました。同社は、11月1日に、牛カツ定食業態の「京都勝牛」を運営するジーホールディングス株式会社を子会社化しました。牛カツ定食業態に相次ぐM&Aについて、解説いたします。
目次
株式会社サンマルクホールディングスについて
サンマルクホールディングスの概要と沿革
サンマルクホールディングスは、カフェ業態「サンマルクカフェ」やパスタ業態「鎌倉パスタ」を運営する大手飲食チェーンで、足元の業績回復により、現在は「第3のブランド確立」を重点施策とし、多角化戦略を推進。11月に、「京都勝牛」を運営するジーホールディングスの株式100%を取得し、第三の柱として牛カツ定食業態に進出しました。
2024年3月末時点のグループ全体の店舗数は793店舗。うち、主要業態の「サンマルクカフェ」が333店舗、第2の柱の業態である「鎌倉パスタ」が195店舗、ジーホールディングス運営店舗が7月末時点で、直営店舗 74店舗、FC店舗 43 店舗の他、他社FC店舗2店舗となります。
サンマルクホールディングスの業績
2024年3月期の決算は、コロナ禍の影響の緩和とコストコントロールにより、売上高645億円(前期比+67億円)、営業利益26億円(+23億円)と増収増益を記録しております。2025年3月期中間期決算においても、売上高329億円(前年同期比+15億円)営業利益18億円(前期比+8億円)と増収増益基調が続いてます。
株式会社牛かつもと村について
株式会社牛かつもと村の概要
今回のM&Aに関して、サンマルクが買収する企業は、株式会社 B 級グルメ研究所ホールディングス 及びBQ International 株式会社となります。同社の子会社が、株式会社牛かつもと村及び極品國際餐飲股份有限公司となるため、牛カツもと村はサンマルクの孫会社となります。
牛カツもと村は、2022 年7月創業。現在の店舗数は直営店舗 30 店舗(国内 28 店舗、海外2店舗)まで成長。日本人客だけでなく、インバウンドの訪日客にも人気の業態となりました。
2024年11月19日株式会社サンマルクホールディングス開示資料参照「株式の取得(子会社化および孫会社化)に関するお知らせ 」
株式会社牛かつもと村の業績
2024 年6月期の売上高は45億円(前期比+17億円)、営業利益6.7億円(前期比+3億円)と急速に事業を拡大しています。
M&Aの概要・目的
M&Aの概要
株式会社 B 級グルメ研究所ホールディングス及びBQ International 株式会社 の株式100%を取得予定。取得価格は、普通株式104億円、アドバイザリー費用等(概算)1億円。株式譲渡実行日は2024年12月初旬を予定しています。
そのため、「京都勝牛」を運営するジーホールディングス株式会社と合わせた買収額は200億円を超えるため、手元資金の低下に伴い金融機関から100億円を借り入れる想定です。
M&Aの目的
「京都勝牛」の買収と同様、インバウンド観光客の取り込みや海外進出の強化を見込むことが出来ること、更にはサンマルクが保有する物件情報や出店・調達ノウハウの活用、物流網の共有により、牛かつもと村におけるコストダウンが可能であるというシナジー効果が見込まれることが目的となります。
サンマルクは、第三の柱を確固たるものにするため、牛カツ定食業態のトップ2社を買収し、攻めの経営に邁進しています。
執筆者 株式会社M&A共創パートナーズ M&Aアドバイザー 篠浦 隆宏
株式会社みずほ銀行に入行し、富裕層向けの資産運用の提案に従事。株式会社日本M&Aセンターへ転職後、M&Aコンサルタントとして幅広い業種のM&Aをサポート。前職は、新興のM&Aブティックにて主にIT企業のM&A案件を担当し、数多くの譲渡企業の支援に従事。
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