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M&Aで新しいビジネスを始めるメリットとデメリットについて解説!

2024.08.20

近年、迅速な事業開始を強みとして、M&Aによってビジネスをスタートする人が増えています。 しかし、新規事業立ち上げとは異なるデメリットやリスクが存在します。そこで、そのようなデメリットやリスクについても理解して、M&Aによる立ち上げを開始することが大切です。

目次

M&Aとは

企業の合併(Merger)と買収(Acquisition)の略で、企業同士が合併したり、一方の企業が他方を買収したりして、経営資源を統合し事業を拡大する手法です。M&Aの目的は多岐にわたり、新市場への参入、経営資源の強化、競争力の向上、シナジー効果の創出などが含まれます。

M&Aにはいくつかの種類があります。まず、同業種間での規模拡大やシェア確保を目的とした「水平型M&A」があります。次に、供給チェーンの一部を統合し効率化を図る「垂直型M&A」があります。さらに、多角化経営を通じてリスク分散を図る「コングロマリット型M&A」もあります。これらのM&A手法を活用することで、企業は迅速に成長し、新たな市場や分野に進出することが可能です。

 

M&Aによる会社立ち上げのメリット

スピーディーな事業展開

既存の事業を買収することで、スピーディに事業を開始することが可能です。初期投資の経済的負担や一からノウハウを取得することが不要となるため、新たな市場への参入や新規事業の立ち上げに比べて、時間とコストを大幅に節約できます。

シェア拡大の迅速性・容易性

M&Aを通じて経済規模を拡大し、市場シェアを迅速に獲得することができます。 既存の企業を買収することで、その企業が持つ市場シェアや顧客基盤を活用できるため、競争力の向上が期待できます。

経営資源の有効活用

既存の技術やノウハウ、人材などのリソースを統合することで、シナジー効果を生み出し、経営効率を高めることができます。

 

M&Aによる会社立ち上げのデメリット

多額の資金の支出

特に、大規模なM&Aでは、買収価格や関連費用が膨らむことが多く、経営に大きな負担をかけることがあります。 M&Aによるシナジーを得て、コスト回収をすることが可能かというリスクを伴うので慎重な判断が求められます。

企業文化の違いや統合の困難さ

異なる企業文化を持つ企業同士が統合する場合、コミュニケーションの摩擦や従業員の抵抗が生じることがあります。このため、統合後の企業文化の融合が難航することがあります。

法的な問題や規制の複雑さ

特に、異なる国や地域でのM&Aでは、現地の法律や規制に適応する必要があり、法的な手続きが複雑化します。これにより、予期せぬトラブルが発生するリスクもあります。

 

M&Aによる会社立ち上げの成功事例

成功したM&Aの具体例としては、GoogleによるYouTubeの買収が挙げられます。 2006年にGoogleはYouTubeを16億5000万ドルで買収し、これによりオンライン動画市場での強力なプレゼンスを確立しました。この成功の要因は、YouTubeが持つ大規模なユーザー基盤と、Googleの技術力およびマーケティング力が相乗効果を発揮したことです。

また、FacebookによるInstagramの買収も成功事例の一つです。 2012年にFacebookはInstagramを10億ドルで買収し、写真共有アプリの分野で圧倒的な地位を築きました。Facebookの広範なユーザーベースとInstagramの人気が融合し、広告収益の増加やユーザーエンゲージメントの向上に繋がりました。

 

M&Aによる会社立ち上げの失敗事例

一方で、失敗したM&Aの具体例としては、AOLとTime Warnerの合併が挙げられます。 2000年に実施されたこのM&Aは、当初はインターネットとメディアのシナジー効果を期待されましたが、結果的には文化の違いや経営戦略の不一致が問題となり、大規模な損失を出しました。

また、ダイムラー・ベンツとクライスラーの合併も失敗事例として知られています。 1998年に実施されたこのM&Aは、ドイツとアメリカの自動車メーカーの統合を目指しましたが、企業文化の違いや経営スタイルの不一致が障壁となり、2007年に分離する結果となりました。 

この失敗の原因は、企業文化の違いを軽視したことや、統合後の経営戦略の不透明さが挙げられます。

 

失敗事例から学ぶ成功方法

自社の強みを生かしてシナジーを生むことがでいる分野を分析する

M&Aによって、相手の会社の資産や人材を一括して利用することができるようになりますが、まったくノウハウがない分野ではそれらを有効に活用することができません。 そこで、自社の強みを生かすことのできる分野の会社を買収することが必要でしょう。単に今後伸びることを期待されている市場の会社を買い取ってしまうことなどが、このような失敗を招くことが予測されます。

専門家を活用する

自社の強みを生かせるようなM&A案件の選定や、交渉、デューデリジェンス、契約書の作成にはそれぞれのフェーズで専門性が求められます。経営判断だけではなく、法務、税務、財務にかかる細かい知識が求められるため、自社に不利益なM&Aを行わないようには、専門家の手助けが有効でしょう。

 


執筆者 株式会社M&A共創パートナーズ M&Aアドバイザー 篠浦 隆宏 

株式会社みずほ銀行に入行し、富裕層向けの資産運用の提案に従事。株式会社日本M&Aセンターへ転職後、M&Aコンサルタントとして幅広い業種のM&Aをサポート。前職は、新興のM&Aブティックにて主にIT企業のM&A案件を担当し、数多くの譲渡企業の支援に従事。


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