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高還元率SESとは?SES企業の還元率について徹底解説!
2024.10.15
SES企業におけるエンジニアへの還元率は、エンジニアの収入や働きやすさに大きな影響を与えます。ですが、高還元率を謳う企業にも様々な違いがあります。この記事では、SES企業の還元率における把握すべきポイントと注意点を解説します。
目次
SES企業の還元率とは
還元率の基礎知識
SES企業における還元率とは、所属エンジニアが案件へ参画することでクライアントから企業が得られる報酬のうち、エンジニア自身に支払われる割合のことです。言い換えれば、エンジニアが自身のスキルや努力によって得た収入のうち、どれだけの割合が手元に残るのかを示す指標です。 例えば、エンジニアが月単価100万円で案件へ参画し、80万円の月給を受け取った場合、還元率は80%となります。 還元率は、SES企業によって大きく異なり、所属するエンジニアにとって重要な要素の一つです。高い還元率は、エンジニアにとってより多くの収入を得られることを意味する一方で、低い還元率は、エンジニアが自分のスキルや努力に見合った報酬を得られない可能性があることを意味します。
還元率の範囲
SES企業の還元率は各企業によって異なりますが、60%から70%の範囲が多いとされています。同時に、これらの数値はあくまで目安のものであり、実際の還元率がエンジニアのスキルや案件の規模、企業業績などの要因によって異なることもあります。 例えば、高度なスキルが求められる企業にとって重要な案件や、エンジニアに豊富な経験や実績がある場合は還元率も高くなる可能性があります。 逆に、企業の規模が小さい・業績が安定していない場合や、エンジニアの経験が浅い際は還元率が低くなることもあるでしょう。
高還元率の基準
高還元率の基準は、明確に定義されているわけではありません。しかし、一般的に70%以上の還元率は、高還元率と言えるでしょう。 特に近年は70~80%以上の高還元率を掲げる企業が急激に増加しており、これらの企業を指して新SES企業と呼ばれることもあります。ただし、還元率だけでSES企業を選ぶのは危険です。なぜなら、上述の通りその数値はあくまで目安であり、企業ごとに考え方や定義が異なるためです。高還元率のSES企業を探す際には、表に出ている還元率だけでなく、福利厚生や企業の安定性、保有する案件の量・質など、様々な要素を総合的に判断することが重要です。
高還元率SESのメリット
高収入(年収アップ)の実現
高還元率のSES企業に所属することで、エンジニアは自分のスキルや努力に見合った収入を得ることが期待できます。スキルや経験の豊富なエンジニアであれば、一般的な企業と比較しても高い収入を獲得できるでしょう。 高収入を得られることは、エンジニアに限らず、社会人にとって大きな魅力の一つであることは間違いありません。
モチベーション向上
高還元率のSES企業では、エンジニアが自分のスキルや努力によって得た報酬が、より多く手元に残る傾向が強いです。そのため、エンジニアは自分の仕事に対するモチベーションを上げやすくなります。 自分の努力が直接収入に繋がることで、エンジニアはより積極的に仕事に取り組むようになり、その結果スキルアップにも繋がります。 高還元率のSES企業では、エンジニアのスキルや努力がより高く評価されるケースが多いため、エンジニアは自分の仕事に対する価値を強く感じ、モチベーションを高く維持しやすくもなるでしょう。
案件選択制による高い納得感の実現
高還元率のSES企業では、エンジニアに多くの案件選択の自由度が与えられる場合があります。エンジニアは案件概要に加え、自身の単価を把握したうえで案件を選択することができます。結果、自身の市場価値や収入に関する納得感が高まるため、参画後のトラブル等も防ぎやすくなります。また、自分のスキルを最大限に活かして、より高いレベルの仕事に挑戦したいと考えるエンジニアが増加すれば、会社としての成長にも繋がります。
高還元率SESの注意点
計算方法の違い
企業によって、還元率の計算方法が異なります。そのため、数値上は同じ還元率であっても、実際の収入が企業によって異なる可能性があります。 一例ですが、案件から得られる報酬から、社会保険料や税金などを差し引いた金額に還元率を適用されることもあれば、案件から得られる報酬から、社会保険料や税金などを差し引く前に、エンジニアに還元率を適用する場合もあります。 そのため、SES企業を選ぶ際には、還元率の計算方法についても確認することが重要です。
企業の安定性
高還元率のSES企業の中には、企業の安定性が低い場合もあります。 なぜなら、高還元率を実現するためには、企業は高い利益率を維持する必要があり、そのためには、常に売上を伸ばし続ける必要があります。 しかし、売上が安定しない場合、企業は経営難に陥る可能性があります。そのため、高還元率のSES企業を選ぶ際には、企業の安定性についても確認することが重要です。還元率がいくら高くとも、企業が利益減による経営難に陥っては継続雇用を期待できなくなってしまいます。
バックオフィスの質
高還元率のSES企業の中には、バックオフィスの質の差が生まれることもあります。 高還元率のSES企業は、エンジニアに高い報酬を支払うため、様々なコストを抑える必要があり、その最たるものは営業などのバックオフィスに代表される本社人件費となります。 しかしながら、バックオフィスのパフォーマンスが低いと、エンジニアの負担が大きくなる可能性も高まります。そのため、高還元率のSES企業を選ぶ際には、バックオフィスの人数や実績についても確認すると良いでしょう。
優良な高還元率SESの探し方
還元率の確認方法
高還元率のSES企業を選ぶ際には、まず公表されている還元率を確認することが重要です。 還元率は、企業のホームページや、採用情報サイトなどで公開されている場合が大半です。また、直接問い合わせることで確認できる企業もあります。
その上で、計算式や定義についても確認できると良いでしょう。
高還元の理由を把握
その企業が「なぜ高い還元率を実現できるのか」、その理由を把握することが重要です。 例えば、SES以外の事業展開をしている(経営の基盤がしっかりしている)・顧客との強いパイプを持っている・営業利益率が高いなど、高還元率を実現できるなんらかの理由があるはずです。 高還元の理由を把握することで、企業の安定性や、将来性を見極められる可能性が高まります。
還元率に含まれない福利厚生
高還元SES企業は充実した福利厚生を整備している企業が多いです。ですがその中でも、「還元率の計算に含まれない福利厚生」がどれだけ多いかも重要なポイントです。いくら数値上の還元率が高くとも、多くの福利厚生が還元率に含まれていた場合、エンジニアの給与はそれだけ下がってしまうことになります。還元率に含まれない福利厚生がどれほど充実しているかを、企業を比較するうえでしっかり確認するようにしましょう。
まとめ
高還元率のSES企業は、エンジニアにとって魅力的に見えますが、必ずしもすべてが優良企業であるとは限りません。 高還元率のSES企業を選ぶ際には、還元率だけでなく、福利厚生、企業の安定性、案件の質など、様々な要素を総合的に判断することが重要です。 また、高還元率のSES企業は、エンジニアのスキルや経験といった市場価値が重視される傾向が強いため、より良い待遇を求めるのであれば、エンジニア自身の自己研鑽が必要とされることも覚えておきましょう。
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執筆者 株式会社M&A共創パートナーズ SESコンサルタント 松下 京平
当時IT業界は未経験だったものの、約2ヶ月で400社を超える企業との提携関係の構築に加え、50名以上の自社エンジニア全員の営業を担当。2023年に人事担当へ転向後、主にエンジニア採用業務へ従事し、年間で約100名の経験者エンジニアの採用を実現。
SES企業の成長に関わる広範な業務を、一貫して現場主義で対応し、早期の黒字化を実現。
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