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SESにおける単価について解説!効果的な単価交渉術とは?

2024.09.23

SES契約における単価交渉の重要性と、その成功に向けたポイントについて解説します。

目次

SES市場における単価の基本知識

人月単価とは

人月単価は、エンジニア1人が1か月間働く場合の費用です。エンジニアの技術レベルや担当工程、案件難易度などで決まります。例えば、経験豊富なエンジニアが、高度な技術を要する案件を担当する場合、人月単価は高くなります。

単価の決定要因

エンジニアの単価は、エンジニアのスキルや経験・プロジェクトの難易度・市場の動向など、様々な要因によって決定されます。具体的には、主に以下の要素が考慮されます。

* スキル:プログラミング言語、開発経験、専門知識など、エンジニアが持つスキルレベルによって単価は大きく変わります。高度なスキルや専門知識を持つエンジニアは、より高い単価が期待できます。
* 経験:エンジニアの開発経験年数やプロジェクト経験も単価に影響します。経験豊富なエンジニアは、より高い単価が期待できます。
* プロジェクトの難易度:プロジェクトの規模や複雑さ、求められる技術レベルやポジションによって単価は変動します。難易度が高いプロジェクト(業務内容)ほど、高い単価が設定される傾向があります。
* 市場の動向:IT業界の市場動向や人材不足の状況なども単価に影響します。需要が高まっているスキルや経験を持つエンジニアは、より高い単価が期待できます。
* 仲介会社の存在:SES契約において、エンジニアの技術派遣に対して仲介会社が手数料を徴収します。この手数料も単価に含まれるため、参画時の仲介会社の数(案件商流)によって単価が変動する場合があります。

単価交渉とは何か?

単価交渉とは、エンジニアが自分のスキルや経験に見合った報酬=単価を企業と交渉することです。SES契約においては、エンジニアが派遣会社を通じて企業に派遣され、その対価として単価が決定されます。単価交渉は、エンジニアにとって自分の価値を正当に評価してもらうための重要なプロセスであり、適切な単価交渉を行うことで、より高い報酬を得ることも可能になります。なお、SES業界ではエンジニア自身がクライアントと単価交渉するケースはほぼなく、エンジニアの所属会社の営業が上位企業に対して交渉を持ちかけるケースが大半となります。

どうして単価交渉が重要なのか?

単価交渉はSESエンジニアのキャリアや給与に大きな影響を与えます。適切な単価交渉を行うことで、以下のようなメリットが期待できます。

* 高い報酬を得られる:所属会社の評価制度にもよりますが、単価アップが給与アップにも繋がる場合、エンジニアにとって経済的な安定につながります。
* モチベーション向上:自分の価値が認められることで、仕事に対するモチベーションが向上し、より高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
* キャリアアップ:高い単価で仕事をすることで、より責任のある業務経験を積む機会が増えるため、キャリアアップに繋がる可能性も高まります。
* 将来の選択肢の拡大:高い単価を提示されるエンジニアは、従事する業務の選択肢が広がり様々な工程を経験可能です。その結果、将来のキャリアプランを柔軟に設計しやすくもなります。

このように、単価交渉はエンジニアにとって自分の価値を主張し、より良い条件や環境で仕事をするための重要な手段です。

 

単価交渉しやすいエンジニアの条件

高度な専門スキルを持つ

企業にとって、高度な専門スキルを持つエンジニアは貴重な人材であり、そのスキルを活かすために高い単価を支払うことをいとわないケースが多いです。 例えば、特定のプログラミング言語に精通している、特定の業界の業務知識を持っている、特定の開発ツールに精通しているなど、高度な専門スキルを持つエンジニアは、単価交渉で優位に立てる可能性も高くなります。
また、そのスキルが市場のニーズと合致していればさらに単価交渉時の優位性が高まるでしょう。

プロジェクトマネジメント力がある

プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトマネジメント能力の高いエンジニアが不可欠です。プロジェクトマネジメント力を持つエンジニアは、プロジェクトの進捗管理・リスク管理・チームマネジメントなど、様々な業務を効率的に遂行することができます。そのため、企業はプロジェクトマネジメント力を持つエンジニアに対して、市場平均よりも高い単価を支払うケースが多いです。

データを用いた交渉力を持つ

データを用いた交渉力を持つエンジニアは、単価交渉で有利な立場にあります。数的根拠となるデータに基づいて自分のスキルや経験を客観的に示すことで、企業に自分の価値を理解してもらうことができます。 例えば、プロジェクト内で達成した成果・スキル習得のための資格取得・技術ブログやオープンソースへの貢献など、具体的なデータを示すことで、単価交渉を有利に進めることができます。

 

単価交渉の難易度が高いエンジニアの特徴

自身のスキルや経歴に対する過大評価

自己評価と企業評価が一致していない場合、単価交渉は難しくなります。自分のスキルや経験を過大評価してしまっている場合、企業は納得のいく単価を提示してくれない可能性があります。 単価交渉を成功させるためには、自分のスキルや経験を客観的に評価し、クライアントの求めるスキルや経験と照らし合わせて、適切な単価を交渉することが重要です。そのため、エンジニアは所属会社の営業と事前にすり合わせを行い、スキルや成果に対して統一した見解を共有しておくことも重要となります。
昨今、エンジニアの人員不足によるニーズ拡大に伴い、自身のスキルレベルを拡大解釈してしまうケースが増加傾向にあります。謙虚さを欠いた行動は自身の評価を下げてしまいかねないため注意が必要でしょう。同様にエンジニアを擁する企業側も、エンジニアの評価を会社の評価と同義に捉えないようにしなければいけません。

スキルアピールが苦手

スキルアピールが苦手なエンジニアは、単価交渉で不利な立場となってしまいます。自分のスキルや経験を効果的にアピールすることができないと、企業はエンジニアの価値を理解することができません。
自分のスキルや経験を過小評価してしまうと、本来得られるはずの報酬を得られない可能性があります。

 

単価交渉が成功しやすいタイミング

適切な交渉タイミングとは?

単価交渉は、適切なタイミングで行うことが重要です。時期によっては、交渉が有利に進められる場合もあれば、不利になる場合もあります。 単価交渉のタイミングとしては、以下の時期が挙げられます。

予算取りの時期を狙う

企業は、年度初めやプロジェクト開始前に予算を決定することが大半です。エンジニアの単価や予算枠が決定する前である、予算取りの時期に単価交渉を行うことで、交渉が有利に進められる可能性があります。 予算取りの時期は、企業によって異なりますが、一般的には年度初めやプロジェクト開始前の数ヶ月間に行われています。

年度末を活用する

年度末は、企業が予算消化のために、積極的に人材を採用する傾向があります。そのため、年度末に単価交渉を行うことで、企業は予算消化のためにエンジニアの単価を高く設定する可能性があります。
ただし、年度末は多くのエンジニアが単価交渉を行うため、競争が激しくなる可能性もあります。そのため、事前にしっかりと準備を行い、自分のスキルや経験を効果的にアピールすることが重要です。

 

まとめ

単価交渉は、SESエンジニアにとって自分の価値を正当に評価してもらい、キャリアアップへ繋げるための重要なプロセスです。また、SES企業にとっても所属エンジニアがより高い報酬を得ることでさらなる会社の成長に直結します。
単価交渉を成功させるためには、エンジニアのスキルや経験を客観的に評価し、企業の求めるスキルや経験と照らし合わせて、適切な単価を交渉することが重要です。また、適切なタイミングを見極めていく戦略性も求められます。

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執筆者 株式会社M&A共創パートナーズ SESコンサルタント 松下 京平 

当時IT業界は未経験だったものの、約2ヶ月で400社を超える企業との提携関係の構築に加え、50名以上の自社エンジニア全員の営業を担当。2023年に人事担当へ転向後、主にエンジニア採用業務へ従事し、年間で約100名の経験者エンジニアの採用を実現。
SES企業の成長に関わる広範な業務を、一貫して現場主義で対応し、早期の黒字化を実現。


 

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