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ADK、ジーニー、クレスコ 今週のM&A事例について解説!(9月8日~9月14日)

2024.09.14

2024年9月8日~9月14日に発表となったM&Aの中から、注目すべきM&A事例をピックアップし、その内容について解説いたします。

今週は、株式会社 ADKマーケティング・ソリューションズ、株式会社クレスコ、株式会社ジーニーのM&Aについて取り上げます。

目次

ADKマーケティング・ソリューションズ、コンサル事業やシステム開発を行うカインド社を完全子会社化

ADKマーケティング・ソリューションズの概要

広告代理店大手のADKグループの一員で、マーケティング領域全般における統合的なソリューションをフルファネルで提供しています。

具体的には、①顧客データ&インサイト②顧客接点マネジメント③顧客体験デザインの3つのソリューションを統合的にクライアントに提供しております。

カインド社の概要

1996年1月設立。主に、①業務・システム・マーケティング等のコンサルティング事業②基盤構築、ソフトウェア開発、RPA等のシステム開発事業③デジタルマーケティング事業を行う、少数精鋭のコンサルティングファームです。

M&Aの概要・目的

ADKマーケティング・ソシューションズが提供するフルファネルでのソリューション提供では、顧客データの分析・活用や、ユーザー体験の設計、システム開発など多岐にわたる要素が存在し、これら全体を対応する人材・ソリューションの重要性が増しています。

そのため、コンサルティング、システム開発、デジタルマーケティングに強く高いプロジェクト実行力を有するプロフェッショナルファームであるカインド社をM&Aすることで、課題の掘り起こしからシステムインテグレーションまでの一気通貫かつスピーディーな対応力を強化する狙いがあると思われます。

参照 株式会社ADKホールディングス 2024年9月10日リリース 「ADKマーケティング・ソリューションズ、コンサル事業やシステム開発を行うカインド社を完全子会社化 

 

ジーニ ー、HiCustomerからデジタルセールスルーム「Arch by HiCustomer」事業を譲受

株式会社ジーニ ーの概要

2010年設立の東証グロース上場企業で、主に「広告プラットフォーム事業」「マーケティング SaaS 事業」「海外事業」の 3 つの事業を展開。特に、「マーーケティング SaaS 事業」では、顧客管理、商談管理、データ分析機能を一体化した国産クラウド型SFA/CRM「GENIEE SFA/CRM」を提供しています。2024年4月には、「リリース配信サービス」「インフルエンサーPRサービス」「クリッピングサービス」を運営するソーシャルワイヤー株式会社を子会社化しており、顧客への提供ソリューションの拡大を図っています。

参照 株式会社ジーニ ー 2024年4月25日リリース 「ソーシャルワイヤー株式会社の第三者割当増資引受による子会社化、並びに資本業務提携契約締結に関するお知らせ

「Arch by HiCustomer」事業の概要

オンライン上の顧客専用ページ内で、製品資料や見積もり、商談や契約後の情報のやり取りを行うことが出来るSaaSプロダクトです。デジタルセールスルームとも呼ばれ、企業間の購買活動がオンラインへシフトしている昨今、顧客とのコミュニケーション強化や情報共有、効率化の観点で成長しているプロダクトとなります。

M&Aの概要・目的

今回の事業譲受により、ジーニー社の主力プロダクトである営業管理ツール「GENIEE SFA/CRM」に「Arch by HiCustomer」を追加し、クライアントへのサービスラインナップの幅を広げる狙いがあります。

参照 株式会社ジーニ ー 2024年9月13日リリース 「デジタルセールスルーム「Arch by HiCustomer」事業に関する事業譲受のお知らせ 」

クレスコ子会社のクレスコ・ジェイキューブ、ITコンサルティングなどの高木システムを買収

クレスコの概要

クレスコグループは、1988年の創業以来、「最高の技術と品質を発揮するIT企業」として、ソフトウェアの開発を主力とした独立系システムインテグレーター(SIer)です。株式会社クレスコを親会社として、子会社11社、持ち分適用会社2社を持つ総合IT企業であり、主に、コンサルティングおよびソリューションサービス業務、設計、開発業務、運用管理、保守業務、調査、分析、評価および技術支援業務を行っております。

M&Aにも積極的に取り組んでおり、直近では以下のM&Aを実行しておいます。

2024年2月 システムコンサル・ITインフラ設計構築のジェット・テクノロジーズを子会社化

2023年3月 ソフト開発の日本ソフトウェアデザインを子会社化

子会社であるジェイキューブは、 IBMi をプラットフォームとした人事・給与・ワークフローのパッケージサービスに強みを持っています。

高木システムの概要

1988 年の設立、IBMi のプラットフォームで稼働する電気・電子部品業界向けに特化した基幹システム TREE を国内 100 社以上に導入しています。エンジニアの技術力と問題解決力、TREE の優れた機能性と高い品質に定評があります。

M&Aの概要・目的

両社ともに、製品を合わせたサービスIBMi をプラットフォームとしていることから、今回のM&Aにより、ERP 並みの業務領域をカバーすることが可能となります。また、販売チャネル、サービス、ノウハウ、リソースのシナジーも期待されます。

参照 株式会社クレスコ 2024 年9月10日リリース「子会社クレスコ・ジェイキューブによる株式会社高木システムの株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

 

 


執筆者 株式会社M&A共創パートナーズ M&Aアドバイザー 篠浦 隆宏 

株式会社みずほ銀行に入行し、富裕層向けの資産運用の提案に従事。株式会社日本M&Aセンターへ転職後、M&Aコンサルタントとして幅広い業種のM&Aをサポート。前職は、新興のM&Aブティックにて主にIT企業のM&A案件を担当し、数多くの譲渡企業の支援に従事。


 

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